発表の総括
”個性に着目した対話システムの自然性の評価実験”
研究概要
シナジーマーケティング社では、独自に構築している"心のモデル"によって個人の個性を規定し、個性の違いによる人の行動・興味・人間関係の持ち方などのモデル化を目指している。個性に着目した対話システムを作成し、その対話システムと人が自由に会話することによって得られる対話データを収集、研究することで、上記への知見を得たいと考えている。
我々は、先行研究で個性に着目した対話システムの「個性性」と「自然性」についての評価を行ってきたが、自然性が担保されていないと個性性の評価が難しいと言う課題があった。自然性を上げるためには様々な方法があるが、用例を増やすことがコストや課題の難易度の点で一番取り組みやすい。本研究では、どれくらいの用例数があれば自然性を担保できるのかの評価実験について報告する。
補足
- 個人の個性の規定
- Societasという価値観モデルによって規定している。
- (アンケートや行動などから性格診断ができるようなもの)
- 「個性性」とは
- 「自然性」とは
質疑応答
- “相手の発話”に近い発話はどうやって選択しているのか
- 入力文と“相手の発話”の意味素性と表層表現のベクトルの類似度を求めています。また、必ず類似度が一番高いものを選択するのではなく、上位いくつかからランダムに選択しています。
- 学習データはどうやって作成したのか
- “ロボットの発話”の部分を人手で1,500種類作成し、クラウドソーシングを利用して、「どのような発言をしたら相手はこのような返答をしたと思いますか?」という内容で“相手の発話”を収集しました。
- 2種類の個性を用いたとあるが、発話の内容や話題を合わせるなどの“ロボットの発話”に制約等はないのか。
- 今回の実験では、どのくらいの“自然性”を目標としたのか(限りなく人に近づけたいのか、個性評価ができる程度でよいのか等)
自己評価・反省
- 発表中、早口であることが多かったと感じた。同年代の方だけでなく、年齢の高い方も聴講にきていたため、話す速さについて考える必要がある。
- 学習データについて似たような質問・コメントをされることが多かったため、もう少し情報量を増やしてもよかったかもと感じた。
発表スライド
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