会場
発表分野の傾向
オープニングセッションにて紹介された大会の傾向
- 昨年に比べて以下の3つの分野に関する発表が増加(昨年の論文数⇒今年)
- 増加した理由を大会を通して考察
- 言語資源の作成(18 ⇒ 28)
- 今年から言語資源賞が新設
- より複雑な解析(文書要約、共参照解析など)に取り組む人が増加
- 科学技術文献の共参照解析コーパスの整備,岩元文, 能地宏, 進藤裕之, 松本裕治 (NAIST)
- Kyutechコーパスにおける抜粋要約のアノテーションと分析,山村崇, 嶋田和孝 (九工大)
- 対話・機械翻訳を研究するための資源構築
- 『日本語日常会話コーパス』構築における会話収録方法,田中弥生, 柏野和佳子, 角田ゆかり (国語研), 伝康晴 (千葉大/国語研), 小磯花絵 (国語研)
- 逆翻訳による高品質な大規模擬似対訳コーパスの作成, Imankulova Aizhan, 佐藤貴之, 小町守 (首都大)
- 機械翻訳(18 ⇒ 40)
- DNNを用いた機械翻訳が浸透してきた(ニューラル機械翻訳:NMT). 手法の提案や、計算コスト低減のための報告が多い印象
- 最優秀賞: ニューラル機械翻訳での訳抜けした内容の検出, 後藤功雄, 田中英輝 (NHK)
- 文生成(8 ⇒ 16)
- 文書要約・対話文生成
- セグメント構造を考慮した学術論文の包括的要約の自動生成の提案, SHIN Wonha, 白井清昭 (JAIST)
- 学術論文の章構造に基づくニューラル自動要約モデル, 山村崇, 嶋田和孝 (九工大)
- プロットとショットの対応付けによる映画要約, 李雪山, 宇津呂武仁 (筑波大), 上原宏 (筑波大/NTTドコ
その他、年次大会を通して注目されていると感じた分野
- 固有表現抽出
- 機械翻訳を行う際に未知語と固有名詞が問題になるため、それの対処のための手法
- 統計的機械翻訳における未知の一般語と固有名への対処, 水上仁志, 秋葉友良 (豊橋技科大)
- 人物・組織エンティティに対する固有表現抽出課題の難易度評価, 仲野友規, 乾孝司 (筑波大)
- twitterを用いた評判分析・観光補助に向けた研究分野では人名・組織名・地名が大量に出現
- レビューに対する分散表現を用いた評判分析, 中嶌大貴, 斎藤博昭 (慶應大)
- テーマをもつ観光地グループの自動生成, 中村みなみ, 乙武北斗, 吉村賢治 (福岡大)
- 言語資源の構築
- 固有表現と複合機能語を考慮したMWEベースの依存構造コーパス構築と解析, 加藤明彦, 進藤裕之, 松本裕治 (NAIST)
- 観光・教育
- ポスター発表ではtwitterやブログを用いた観光を補助するための研究が多い印象
- 旅行ブログ記事における観光地の傾向の自動分析, 高原明日美, 徳久雅人, 木村周平 (鳥取大)
- テーマをもつ観光地グループの自動生成, 中村みなみ, 乙武北斗, 吉村賢治 (福岡大)
面白かった研究 - 視線情報を用いた述語項構造解析モデルへの単語分散表現の導入, 牧諒亮, 西川仁, 徳永健伸 (東工大)
- 昨年秋のYANSでも報告されていた内容
- 視線情報を使い、述語項構造解析を行う.
- 対象とする述語にかかっている単語を探すときの目線情報を利用。
- 昨年のYANSでは視線情報を計測する際に、個人によって精度に差がでていた。
- 今回の発表ではその点を改善し、精度向上をしていた。
- 画像説明文生成手法を援用した画像刺激時の脳活動の説明文生成, 松尾映里, 小林一郎 (お茶大), 西本伸志, 西田知史 (NICT), 麻生英樹 (産総研)
- DNNを用いて画像とそのキャプションを学習させ、未知の画像に対するキャプション生成はこれまでも行われていた。
- この研究では未知の脳波の画像からキャプション生成を行っていた。
- 実験結果から画像刺激を受ける脳活動データから、自然言語への変換を行うことができていた。
- 時計の秒針のような画像の情報から文を生成することが非常に難しいような問題の場合も、人間は時計であること秒針・長針があることなどを理解している。そのため、脳波からキャプション生成すると画像では読み取ることが難しい情報も取得できていた。
- 脳波は人ごとに異なるため、同一人物からのサンプルが必要であり、拡張が困難。
その他 - 年次大会へ参加する大学が増えた。
- 去年のTwitterからの感情分析などを踏まえた応用研究(レビュー分析、観光補助など)が盛んになってきた。
- 懇親会・若手の会で年齢の近い知り合いを増やすことは重要
- 起業をしたい方が今後の参考のために参加
- スポンサー関連
- 今回ブースを出展していたスポンサー企業の多くで対話型AIの研究を行っていた。
- 企業でも言語処理の必要な分野が増え、人手が足りていない。
- ビッグデータはあるが、それを活用するための人手が欲しい。
- 言語資源に関する広告が多く, 昨年より多くの企業が言語処理分野の研究に注目していると感じた。
- 今年から新規で参加する企業が多い(懇親会)。
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