ベトナムに来て、早いもので2か月が過ぎました。 日本語ネイティブと話した時間よりも、非ネイティブと日本語で会話をした時間が長いです。 そこで気づいた点・こう話すと伝わりやすいという点をご紹介したいと思います。ネットで検索すればいろいろ出てくるでしょうが。
・前書き ネイティブな日本語を使って話しかけるが学習者にとって上達への近道かもしれません。 しかし、ネイティブな日本語は想像以上に難しく理解が困難です。 あくまで会話して意志疎通をすることを前提に考えています。 またわざわざ調査したわけではないため、主観的な点が多数です。少し配慮をして日本語でのコミュニケーションを楽しんでください。
1.語彙 ・名詞 名詞が分かるかどうかは、その名詞を覚えているかどうかによります。 自分が簡単と思う語(中学英語、高校英語で覚えた語)くらいで話すと問題ない場合が多いです。 新しい語も漢字の意味を交えながら教えると、覚えてもらいやすいです。(ベトナム語は漢越語がたくさん含まれるため、漢字を勉強している人には理解してもらいやすい) カタカナ語は難しいので使わないほうがいいと思います。
・形容詞 物の大小や量、程度に関する形容詞の使用はとても難しいです。下記の語を中心に使うとよいと思います。
大きい・小さい 広い・狭い 多い・少ない すごい、とても・ぜんぜん
・動詞 よほど日本語が上手(流暢に話せると感じた人)でない限り、複合動詞をほとんど勉強していないようです。 動詞のうち約40%が複合動詞と言われているそうです。 ネイティブとしては複合動詞を使って、ニュアンスを表現したいところですが、何も伝わりません。 次のように言い換えるといいと思います。
彼は緊張して舞い上がった。 →彼は緊張して何もできませんでした。
・比喩 あまり使用しないほうがいいですが、使用するなら直喩だけがいいでしょう。 彼はもうベトナム人のようです。
「よう・みたい」に限定するといいと思います。しかし「よう・みたい」の用法は難しいので、間違えることが多々あります。
・オノマトペ・慣用句 ニュアンスを付加する言葉は使用しないほうがいいです。 なんでもない会話をしている時に、教えてあげればいいと思います。
2.文法 ・主語・主題 日本人は文脈(使用されている語や流れ)から話の主題を共有できます。 しかし、非ネイティブには話の主題(何について話しているか)が読み取れません。 「誰が何をした」という情報をネイティブの会話から得ることはとても難しいです。
どうやら、日本での滞在経験がある人>日本人と私生活で良く話す人>日本語クラスで話す人 の順番で、主語・主題を読み取ることができるようです。日本人の共有意識があるのでしょうか。
・文体の統一 日本語学習者は文体を「辞書系」「ます系」で覚えています。 その人が話した文体にこちらが合わせればいいと思います。
・文の長さ 長ければ長いほど理解が困難になります。 単文ばかりで話を構成するのは難しいですから、動詞2語くらいで収まる文がいいと思います。
・時制 時制に関してよく間違えます。 文脈からくみ取ってあげましょう。
活用が問題です。
・てにおはが 助詞+動詞(自動詞・他動詞)・(受け身)によって魔法のように助詞が変化します。 よく間違えるので、文脈からくみ取りましょう。
・用法 用法に関しては、母語の癖が出るようです。 例 誰かが前で発表するとき「すみません。注目してください。」が自然ですが、「すみません。注意してください」とベトナム人はよく言います。
3.発音・聞き取り 発音・聞き取りは特にベトナム人に関することだと思います。 ・聞くときに気をつけること 母語の癖が日本語にでます。 多少の発音違いは聞き取ることができますが、拍(モーラ)が取れていないと日本人には理解できない場合が多いです。 特にベトナム語は、音節の組み合わせで語が作られています。そのため拍を取るのはとても難しいようです。
牛丼(ぎゅうどん)→ぎゅどん 失敗(しっぱい)→しぱい 報告(ほうこく)→ほこく なんでも→なでも 想像力を膨らませて聞いてください。
ベトナム人は、「つ」「す」「ざ行」「じゃ行」「ば行」「ぱ行」「だ・な・ら」の発音が苦手な人が多いです。ベトナム語にはない発音です。 「つ」→「ちゅ」 「す」→「しゅ」 「ざ行」と「じゃ行」の区別がつかない。 「ば行」と「ぱ行」の区別がつかない。 「はだ」「はな」「はら」の区別がつかない。
・話すときに気をつけること 発音できない単語はよく聞こえない場合が多いです。できる限りしっかり発音しましょう。 また、話すスピードは極端にゆっくりと思うくらいでいいです。
すこし注意するだけで、驚くほど会話が捗るかと思います。 ぜひたくさん会話して、いろいろなことを話してみてください。 |