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言語処理学会 第22回年次大会


発表内容(ポスター)


発表概要

日本語の動詞の一つにサ変動詞がある。
サ変動詞は例えば「運動する」や「勉強する」のように「名詞」+「する」で表される動詞である。
しかしながら「運動をする」や「勉強をする」、「運動をやる」「運動を行う」といった同義で利用可能な表現の揺れが起こっている。
これらは形態素解析を行うと別の形態素列と解析される。
応用処理に「する」という動詞の情報が有益だとは考えにくい。
また、係り受け解析を行うと「太郎が公園で運動する」の場合「太郎」は「運動する」に係り、「太郎が公園で運動をする」だと「する」に係る。
異なる係り受け結果になるということは、同じ表現にもかかわらずある処理をするにあたって規則の追加が必要となる。
後段の処理の負荷を軽減するべく、サ変動詞へ換言可能な同じ名詞を用いた用言の換言処理を目指す。

研究詳細は参照

発表時に受けた質問とそれに対する所感等

  • 「洪水が起こる」の言い換え
    • 「洪水する」に言い換えが可能である。
    • 「起こる」などの語も一部支援動詞的な立ち回りをするのか?
  • 「ある」「なる」などの言い換え
    • 対象数が多いため仮にうまく換言できればあるいは・・・?
  • 「話する」の言い換え
    • 一文字の動詞は昔の言葉から来ているものが多く、換言できないものが多く存在すると考えられる
      • 例:「信ずる」など(ザ変)
      • 一括で抽出、確認することでさらなる精度の向上
    • 「話」を「お話」にすることで換言
      • ある意味敬語みたいになってしまうが、この方法によっても換言が可能
  • 「勉強と運動をする」のようなものの換言
    • 「勉強し運動する」のような形にも換言可能
    • ニュアンスが若干変わってしまう場合がある
    • 以前辞書ゼミにて少し触れた
見だけでなく、新たな視点から様々な意見をもらうことができた。
又、今回使用した日本語解析システム雪だるまに関してもAPI公開などの声が多く寄せられた。
やはり表記ゆれの吸収は言語処理タスクに対して大きな影響があると考えられていた一方で、
雪だるまのようにまとまって使いやすいツールがなかったと考えさせられた。

発表を通しての所感等

やはり大きい声で発表することが何より重要であると思った。他人の発表を聞いていてもそうなのだが、
声が小さいと何を言っているのかがわからず、ポスターが飾ってあるのと同じ感じになってしまう。
見やすいポスター作りもそうだが、他人の目を引くような発表をすることが何より重要であると感じた。

ポスターに関しては、各文字を大きく見やすくするなどの基本的なところから、カラーで見やすいレイアウト等にも気を配ったほうが良いと思われた。
予め年次大会のサイトを良く確認し、どのようなレイアウトでどのような感じでポスターを貼るかどうかを検討したほうが良いと思われる。
(今年は「A0 横」ということを前日に知った)
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